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2005年1月10日月曜日

危機一髪


1月のある練習日

その日は臨海公園の南側海面で
の練習だった。
風は3mから4mくらいの順風。
大人3人はコーチボートに乗り、
タロウ、コウシ、ダイチの3人は
マークを回る練習をしていた。

ダイチがコーチボートに近寄ってきている。
視線を外し、もう一度ダイチに 目を向けた時、
コーチボート近くでダイチがOPに
食われるような形で
ひっくりかえろう とするのが見えた。

子供たちの乗っているOPには
大きなエアバックが 3個取り付けてあり、
ひっくりかえっても海に完全に没することはない。

海上でひっくりかえった時には
ヨットから離れないように指導している。
広い海の上では
ヨットは発見することができても
船から離れ漂流している人を
見つけ出すのはむつかしいからだ。

ヨットがひっくり返った時には
船底によじ登り、センターボードを船底側に
引き出してセンターボードに
ゆっくり体重をかけてヨットを起こす。

コウシの体重は20キロくらいだが
コウシほど軽い体重でも簡単に
ヨットを起こすことができる。

大人の乗る艇種のレーザーやホッパーなどは
起こしながらヨットに乗り込むことが
可能だがOPの場合、起こしながら
乗り込むことがむつかしいので
起こしながら一旦、海に浸かり
それから正常な形に戻ったヨットに
乗り込んで、中に溜まった海水を
「アカ汲み」と呼ばれる
プラスチック製のバケツで汲み出す。

ダイチがひっくり返るとき
首にメインシート
が巻きついているように 見えた。

その時、私とダイチの父は
コーチボートのバウにいた。

すぐに父親が飛び込みガンネルをつかんで
艇を持ち上げダイチをヨットの中から
引き出そうとするが一人の力では
どうにもならない。

私も飛び込み、ダイチをヨットから引きずり
出して首に絡んだメインシートを外した。
ダイチを掴んでコーチボートのスターンに回り
ダイチをコーチボートに上げる。

 こわかったやろ。もうだいじょうぶやから
 だいじょうぶ。だいじょうぶ。

声をかけ
コーチボートにダイチ親子を乗せて
マリーナに戻った。

少し落ちついてダイチの父と話をした。
たまたま、コーチボートの近くで
ひっくり返ったからすぐに救助できたが
もし、ダイチが遠くでひっくり返っていたら
どうなっていただろう。

ダイチはコウシと同じ小学2年生。
ひっくり返ったときに、自分で事態を把握して
自分でメインシートを首から外すことなど
到底できない。

親の一瞬の油断で子供が危険にさらされる
ことがある。
ヨットの練習は子供も親も真剣勝負だ。
絶対に子供から目を離さないこと。
子供にヨットの操船を教えることよりも
もしもの時、どうすればいいかを教えることが
大事だと思う。

たしかに子供は少しずつたくましく
成長している。
しかし、子供は日常的に
多くのことを経験していないので
日常と違うことが起こったときに
応用させる元になるものを持っていない。

安全については、日頃からコーチ、保護者が
日々、安全に対する意識を確認し合い、慢心しないよう
子供たちを見守っていきたい。

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