にほんブログ村 マリンスポーツブログ ヨットへ ←ワンクリックお願いします

2005年1月19日水曜日

ヒザのケガ


コウシたちがいつも練習しているスロープ前の海面で
レーザーに乗っているとスロープの方から大きな声がした。

 コウシがケガしたぁーー!

慌ててヨットを回して着艇すると、
マリーナに来ていたジュニアの保護者、大学生が
コウシの周りに集まっている。
コウシのヒザから血が流れている。
いっしょに遊んでいた子供たちから話を聞くと
コウシはスロープで転んだらしい
スロープに付いている牡蠣殻で切ったのだろう。
コウシのヒザはザクロのように切れていて
グチャグチャになっているように見えた。
大声で泣いているコウシに

 たいしたことない。すぐに治る

と声をかけた。
消毒薬で消毒して傷口にガーゼをあてた。

私も子供の頃、転んで何度もヒザをケガしたこと
があるが、こんなにひどい傷口を見るのは初めてだった。
当番医を探し、病院に運んだ。

 痛かったやろ

先生はコウシに話しかけながら傷口に麻酔の注射を打つ
 麻酔は効くのか心配なほどひどい傷だった。
注射のあと歯ブラシみたいなもので
傷口をゴシゴシと消毒している。
コウシは大声で泣いている。
麻酔は効いているのか!?

消毒の後、先生が複雑に切れた傷を器用に縫っていく。

この先生、名医や!
先生の鮮やかな手つきを見て
傷口はキレイに治ると思った。

これまでケガをする心配などあまりしていなかったが
コウシがケガをしてから子供を追う目が
敏感になった。

オラァーー
スロープを走るなぁーー!

今日もマリーナに怒声が響く。

2005年1月10日月曜日

危機一髪


1月のある練習日

その日は臨海公園の南側海面で
の練習だった。
風は3mから4mくらいの順風。
大人3人はコーチボートに乗り、
タロウ、コウシ、ダイチの3人は
マークを回る練習をしていた。

ダイチがコーチボートに近寄ってきている。
視線を外し、もう一度ダイチに 目を向けた時、
コーチボート近くでダイチがOPに
食われるような形で
ひっくりかえろう とするのが見えた。

子供たちの乗っているOPには
大きなエアバックが 3個取り付けてあり、
ひっくりかえっても海に完全に没することはない。

海上でひっくりかえった時には
ヨットから離れないように指導している。
広い海の上では
ヨットは発見することができても
船から離れ漂流している人を
見つけ出すのはむつかしいからだ。

ヨットがひっくり返った時には
船底によじ登り、センターボードを船底側に
引き出してセンターボードに
ゆっくり体重をかけてヨットを起こす。

コウシの体重は20キロくらいだが
コウシほど軽い体重でも簡単に
ヨットを起こすことができる。

大人の乗る艇種のレーザーやホッパーなどは
起こしながらヨットに乗り込むことが
可能だがOPの場合、起こしながら
乗り込むことがむつかしいので
起こしながら一旦、海に浸かり
それから正常な形に戻ったヨットに
乗り込んで、中に溜まった海水を
「アカ汲み」と呼ばれる
プラスチック製のバケツで汲み出す。

ダイチがひっくり返るとき
首にメインシート
が巻きついているように 見えた。

その時、私とダイチの父は
コーチボートのバウにいた。

すぐに父親が飛び込みガンネルをつかんで
艇を持ち上げダイチをヨットの中から
引き出そうとするが一人の力では
どうにもならない。

私も飛び込み、ダイチをヨットから引きずり
出して首に絡んだメインシートを外した。
ダイチを掴んでコーチボートのスターンに回り
ダイチをコーチボートに上げる。

 こわかったやろ。もうだいじょうぶやから
 だいじょうぶ。だいじょうぶ。

声をかけ
コーチボートにダイチ親子を乗せて
マリーナに戻った。

少し落ちついてダイチの父と話をした。
たまたま、コーチボートの近くで
ひっくり返ったからすぐに救助できたが
もし、ダイチが遠くでひっくり返っていたら
どうなっていただろう。

ダイチはコウシと同じ小学2年生。
ひっくり返ったときに、自分で事態を把握して
自分でメインシートを首から外すことなど
到底できない。

親の一瞬の油断で子供が危険にさらされる
ことがある。
ヨットの練習は子供も親も真剣勝負だ。
絶対に子供から目を離さないこと。
子供にヨットの操船を教えることよりも
もしもの時、どうすればいいかを教えることが
大事だと思う。

たしかに子供は少しずつたくましく
成長している。
しかし、子供は日常的に
多くのことを経験していないので
日常と違うことが起こったときに
応用させる元になるものを持っていない。

安全については、日頃からコーチ、保護者が
日々、安全に対する意識を確認し合い、慢心しないよう
子供たちを見守っていきたい。