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2004年10月13日水曜日

はじめてのレース2



















出艇した子供たちを追って
私たちもゴムボートを出した。

沖に出てみるとレースのある海面は
岸から1キロ以上離れているように
見える。
出艇するときは波も無く穏やかだった海は
子供たちが沖に到着するころには
風を増し波もかなり大きくなっていた。

 だいじょうぶやろうか

ヨットに乗り始めて1年が過ぎているが
湾内の練習がほとんどのコウシは
こんなに荒れた海を体験したことが無い。

Bクラスは7艇がエントリーしていて
コウシは最年少の2年生

Aクラスがスタートした後
Bクラスがスタートした。
コウシはスタートのホーンが
鳴ってもスタートラインにたどり着けない。

ヨットのレースのスタートラインは
本部艇と呼ばれる船と、その近くにあるブイを結ぶ
見通し線がスタートラインとなる。
スタートラインは風向に対して
垂直に設置される。

スタートラインは風下にあり
800mほど風上のブイ(上マーク)
を目指して走る。
ヨットは風に向かって進むことは
できないので
上マークまでは風向に対して
走れるギリギリの45度くらいの
角度でジグザグに進む。

上マークを回ったあと
次のブイ(サイドマーク)を目指す。
その時はアビームといって
ヨットは真横から風を受けて
一番スピードが出る。

BクラスはAクラスよりコースが短く
上マーク、サイドマークを回り
スタートラインがゴールになる。

コウシはみんなよりずいぶん遅れて
スタートラインを切った。

風が強く、波が大きい。
大人でもビビるような荒れた海で
何度も風に煽られ何度も
ひっくり返りそうになりながら
歯をくいしばり
小さな手でシートを懸命に引いている。

 コウシを見ていて 体が震え、涙が出た。


しばらくしてコウシのヨットはひっくり返った。
ゴムボートでコウシに近づく
 
 まだがんばれるか?

私は最後まで頑張らせようと思っていた。
コウシは泣きながら「うん」と答えた。

T君の父が言った。

 コウシはもう十分がんばったちゃないですか!


私は我に返り
コウシは頑張った。もう十分頑張ったと思った。

コウシのヨットから海水をかき出し
ヨットに乗り込み2人で岸を目指した。

 よう頑張った。ようやったな!
 また練習して上手になろうな!

コウシの初めてのレースが終わった。

一人乗りのヨットは、一旦、海にでると
怖くて、いくら泣いて叫んでも
手を貸してくれる人はいない厳しいスポーツだ。

お前がヨットが好きなら
オレはいくらでも応援したいと思う。

 強い男になってほしい。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

放浪さん
こんにちは。初めてBLOG見せて頂きました。そのときどきのことが、放浪さんの心情と共に書かれていて楽しみながら読みました。次に期待しています!!
こーち