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2005年2月5日土曜日

鹿児島ウィンターカップ 2005

20050205~20050206





















先月、ケガをして足を4針縫ったコウシは
傷口が乾かず今回のレースに出場させるかどうか
最後まで迷ったが本人がどうしてもと言うので
足をビニールで包んで出場することにした。

宮崎から都城まで高速で走り
都城から末吉まで下の道、
それからまた高速に乗って
鹿児島インターから指宿有料道路へ
しばらく一般道を走り平川マリーナに到着した。

我が家の節約コースにタロウ家にも
お付き合いいただいた。
タロウ家はレスキュー用のゴムボートと
子供たちのOPを積んだトレーラー
を引っ張ってきてもらったので一般道を
長く走るにはかなりつらかったみたいだ。

コウシはこの大会が2回目の出場になる。
鹿児島の平川マリーナに到着し
タロウの父とゴムボートを降ろして
OPの艤装に取り掛かる。
今回もタロウの父がコウシの艇の艤装も
手伝ってくれた。

真冬の一番寒い時のレースなのだが
タロウからドライスーツをいただいたので
寒さ対策は万全だ。
ヨット用のドライスーツは両手と首の部分が
ゴムで出来ていてピッタリ手足にくっついて
水の浸入を防ぐ、足の部分はゴムのソックス
になっていて足が濡れることはない。


OP級Bクラスのエントリーは9艇。
Bクラスには海上でAクラスと見分けるため
に赤いリボンが配られスプリットポールの
トップに赤いリボンを付けた。

Aクラスの出艇の後、Bクラスも出艇する。
タロウ、コウシを出艇させ、
タロウの父と持ってきたゴムボートで
子供たちの後を追った。

今回のレースはAクラスとBクラスが同じコースで
同時にスタートする。BクラスはAクラスより
コースが短くサイドマークを回った後にアウ
ターを回り本船と本船の下のブイを結ぶ
ラインがゴールとなる。
つまりサイドマークまではAクラスと
いっしょに走る。
ウチのクラブにはAクラス(上級者)はいな
いのでAクラスの走りを見ることができる。

第1レースのホーンが鳴った。
コウシはスタートラインにたどりつくことが
出来ずかなり遅れてスタートした。
ヨットレースがわかっていないコウシは
オーバーセール、上マーク付近では
なかなかマークを回れず
何回もタックをくり返した。

第2レースはスタート直後
ポートに返し船団からどんどん離れていく
その後もタックせずに
コウシはどこまでいくんやろう
と思って上マーク付近でゴムで待機して
いたら遠くからスタボで上マークに
突っ込んできた。
そのまま上マークを3番手で回航

 ヨッシャ イケる!

その後、サイドマークを回航後、
ゴールラインとサイドマークの間にいた
運営艇に行く手をはばまれ
コース変更を余儀なくされた
その隙に、後続艇にバラバラと抜かれ
6位でゴール。

なんでコース上に運営艇がいるのか
わからなかったが未熟なコウシは動揺して
運営艇をうまくかわせなかった。

2日目、最後のレースが終了して陸上に上がり
貼り出されたレース結果を見にいったコウシは
車の中で泣いていた。

津屋崎のうみがめカップはずっとビリだったが
今回のレースはビリじゃないレースも何レースかあった。
コウシは結果を楽しみにしていた。

がんばれ!!コウシ!!
お前のヨットレースは まだはじまったばかりや!

2005年1月19日水曜日

ヒザのケガ


コウシたちがいつも練習しているスロープ前の海面で
レーザーに乗っているとスロープの方から大きな声がした。

 コウシがケガしたぁーー!

慌ててヨットを回して着艇すると、
マリーナに来ていたジュニアの保護者、大学生が
コウシの周りに集まっている。
コウシのヒザから血が流れている。
いっしょに遊んでいた子供たちから話を聞くと
コウシはスロープで転んだらしい
スロープに付いている牡蠣殻で切ったのだろう。
コウシのヒザはザクロのように切れていて
グチャグチャになっているように見えた。
大声で泣いているコウシに

 たいしたことない。すぐに治る

と声をかけた。
消毒薬で消毒して傷口にガーゼをあてた。

私も子供の頃、転んで何度もヒザをケガしたこと
があるが、こんなにひどい傷口を見るのは初めてだった。
当番医を探し、病院に運んだ。

 痛かったやろ

先生はコウシに話しかけながら傷口に麻酔の注射を打つ
 麻酔は効くのか心配なほどひどい傷だった。
注射のあと歯ブラシみたいなもので
傷口をゴシゴシと消毒している。
コウシは大声で泣いている。
麻酔は効いているのか!?

消毒の後、先生が複雑に切れた傷を器用に縫っていく。

この先生、名医や!
先生の鮮やかな手つきを見て
傷口はキレイに治ると思った。

これまでケガをする心配などあまりしていなかったが
コウシがケガをしてから子供を追う目が
敏感になった。

オラァーー
スロープを走るなぁーー!

今日もマリーナに怒声が響く。

2005年1月10日月曜日

危機一髪


1月のある練習日

その日は臨海公園の南側海面で
の練習だった。
風は3mから4mくらいの順風。
大人3人はコーチボートに乗り、
タロウ、コウシ、ダイチの3人は
マークを回る練習をしていた。

ダイチがコーチボートに近寄ってきている。
視線を外し、もう一度ダイチに 目を向けた時、
コーチボート近くでダイチがOPに
食われるような形で
ひっくりかえろう とするのが見えた。

子供たちの乗っているOPには
大きなエアバックが 3個取り付けてあり、
ひっくりかえっても海に完全に没することはない。

海上でひっくりかえった時には
ヨットから離れないように指導している。
広い海の上では
ヨットは発見することができても
船から離れ漂流している人を
見つけ出すのはむつかしいからだ。

ヨットがひっくり返った時には
船底によじ登り、センターボードを船底側に
引き出してセンターボードに
ゆっくり体重をかけてヨットを起こす。

コウシの体重は20キロくらいだが
コウシほど軽い体重でも簡単に
ヨットを起こすことができる。

大人の乗る艇種のレーザーやホッパーなどは
起こしながらヨットに乗り込むことが
可能だがOPの場合、起こしながら
乗り込むことがむつかしいので
起こしながら一旦、海に浸かり
それから正常な形に戻ったヨットに
乗り込んで、中に溜まった海水を
「アカ汲み」と呼ばれる
プラスチック製のバケツで汲み出す。

ダイチがひっくり返るとき
首にメインシート
が巻きついているように 見えた。

その時、私とダイチの父は
コーチボートのバウにいた。

すぐに父親が飛び込みガンネルをつかんで
艇を持ち上げダイチをヨットの中から
引き出そうとするが一人の力では
どうにもならない。

私も飛び込み、ダイチをヨットから引きずり
出して首に絡んだメインシートを外した。
ダイチを掴んでコーチボートのスターンに回り
ダイチをコーチボートに上げる。

 こわかったやろ。もうだいじょうぶやから
 だいじょうぶ。だいじょうぶ。

声をかけ
コーチボートにダイチ親子を乗せて
マリーナに戻った。

少し落ちついてダイチの父と話をした。
たまたま、コーチボートの近くで
ひっくり返ったからすぐに救助できたが
もし、ダイチが遠くでひっくり返っていたら
どうなっていただろう。

ダイチはコウシと同じ小学2年生。
ひっくり返ったときに、自分で事態を把握して
自分でメインシートを首から外すことなど
到底できない。

親の一瞬の油断で子供が危険にさらされる
ことがある。
ヨットの練習は子供も親も真剣勝負だ。
絶対に子供から目を離さないこと。
子供にヨットの操船を教えることよりも
もしもの時、どうすればいいかを教えることが
大事だと思う。

たしかに子供は少しずつたくましく
成長している。
しかし、子供は日常的に
多くのことを経験していないので
日常と違うことが起こったときに
応用させる元になるものを持っていない。

安全については、日頃からコーチ、保護者が
日々、安全に対する意識を確認し合い、慢心しないよう
子供たちを見守っていきたい。